インディーゲーム配信プラットフォームのitch.ioがこのほど公開したデータによると、1日当たりに新設されるゲームページは、2026年8月初旬の約3,000件から10月末には6,000件を超える日が相次ぎ、わずか数カ月でほぼ倍増したという。Steamでも低品質な作品が大量に登場するなか、生成AIがゲームプラットフォームのコンテンツ氾濫に拍車をかけているのではないかとの疑問が広がっている。

itch.ioがBlueskyで統計グラフを公開すると、Tommy's Homemade Gamesというユーザーがゲームページ急増の理由を質問。公式アカウントは泣き顔とロボットの絵文字を添え、「当ててみて」とだけ返した。別のユーザーが「例のAIゴミ作品?」と追及すると、公式は疲れ切った表情の絵文字で反応。原因を直接認めたわけではないものの、現状へのうんざりした様子をにじませている。
現在、itch.ioに掲載されている176万件超のゲームページのうち、131,929件には「AI生成」のタグが付けられており、全体の約7.5%を占める。一方、直近のSteam Nextフェスでも、公開された体験版の数が約4,000本から8,000本超へと急増した。


しかし、ゲームの増加が市場の需要拡大につながっているわけではない。itch.ioも、1日当たりの新規ゲーム数は倍増したものの、ダウンロード数や購入件数は同じようには伸びていないと強調している。
一部のプレイヤーからAI生成ゲームの全面禁止を求める声が上がるなか、AI研究者のマイク・クックは、禁止措置には一定の合理性があるものの、ゲーム数の急増を食い止められるとは限らないと指摘する。プラットフォーム側は大規模な人員を投入して審査するか、議論を呼びかねない公開通報制度を整備する必要がある。しかも、それでもゲームがAIで生成されたものかどうかを見分けるのは、外部が考える以上に難しいという。

Valveも、AIツールを禁止することの実効性について疑問を示してきた。「バイブコーディング」によって制作のハードルが下がり、コミュニティーの注目を集めようと大量のゲームがアップロードされているが、プレイヤーが実際にダウンロードしたり、金を払ったりするとは限らない。作品が継続的に人目に触れる環境を維持しつつ、大量のコンテンツによってストアの検索体験が損なわれる事態をどう防ぐか。各プラットフォームが共通して直面する難題となっている。
さらに、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズのディレクター、桜井政博氏も以前、AIによってゲームの数はさらに増える一方、その多くは利益を上げられない可能性が高いと指摘していた。既存のゲーム性を模倣した作品が市場にあふれるほど、開発者の独創性がこれまで以上に重要になるという。
via: PC Gamer