「ホラーの帝王」スティーヴン・キングも震えた?あのディズニー名作を「ホラー映画」と呼んだ理由

これまでに観てきたホラー映画を振り返ると、多くの映画ファンは、自分を心底怖がらせ、恐怖を植え付けた最初の映画を覚えているだろう。真っ暗な映画館で震え上がった経験かもしれないし、子供の頃に夜更かしして、テレビで放送されていた古いスリラー映画をこっそり観た記憶かもしれない。

こうした経験は、一般の映画ファンだけのものではない。「ホラーの帝王」と称されるアメリカのベストセラー作家スティーヴン・キングも、過去のインタビューで、ホラーストーリーに深く魅了された子供時代を振り返っている。しかし、彼に強烈な印象を残したのは、『死体を売る男』や『狼男』といった古典的なホラー映画ではなく、1942年のディズニーの名作アニメーション映画『バンビ』だった。

当時、彼は『ローリング・ストーン』誌のインタビューで、『バンビ』にどう惹きつけられ、ホラー映画への興味を抱くようになったかを語っている。「簡単に言えば、生まれつきなんだ。そういうことさ」

「私が初めて観た映画はホラー映画だった。それが『バンビ』だ。バンビが森の火事に巻き込まれた時、恐怖を感じると同時に、ものすごく興奮した。この感情をうまく言葉で説明することはできない」

特筆すべきは、当時ディズニーが製作した『バンビ』は、他のアニメーション映画とは異なり、童話が原作ではないという点だ。原作は、オーストリアの作家フェーリクス・ザルテンが1922年に発表した小説『バンビ 森の生活』であり、その内容はディズニー版よりもさらにダークなものだった。

映画のジャンルとしては子供向けに位置づけられているディズニーの『バンビ』だが、強烈なホラー要素が含まれていることから、著名な映画評論家ポーリン・ケイルも、『バンビ』が子供たちに与える影響は、並の大人向けホラー映画をはるかに超えると述べている。

また、『バンビ』がパブリックドメインになったことで、『プー あくまのくまさん』シリーズの監督リース・フレイク=ウォーターフィールドが、ホラー映画化『Bambi: The Reckoning』(原題)の製作を進めている。これは「The Twisted Childhood Universe(歪んだ子供時代のユニバース)」を構築するもので、2025年中の公開が予定されている。


via: Rolling Stone CBR